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こころ(心)のセルフケアと精神障害者雇用プロジェクト「K-STEP」|新横浜の就労移行支援【個別支援型】

こんにちは。

横浜市港北区新横浜にある、「個別支援型」の就労移行支援事業所、JESD(じぇすど)新横浜です。

先日は、うつ病をはじめとした精神疾患の方の就労にとって、こころ(心)のセルフケアがとても大切で、またその具体的な実践方についてまとめてみました。
詳しくはこちらです。

さて今回は、セルフケアで大切な自己把握をする為のセルフケアシートを活用し、神奈川県川崎市が開発し、精神障がい者を雇用する特例子会社など企業でも導入されている、「K-STEP」プロジェクトについてまとめてみます。

K-STEPとはどんなプロジェクト?

2015年10月17日の産経新聞ニュースにK-STEPプロジェクトを川崎市が始めた経緯が記載されていました。

新聞記事によると、精神障がい者が就労の場で安定継続した勤務が難しくなっているケースが多くなっているそうです。

そこで毎日の自分自身のメンタル状態を確認しやすいよう「見える化」できるツールを用い、自分自身以外に職場での関係者に分かりやすく伝えることが必要となっているとのこと。
職番の周囲の人がより適切に配慮でき、精神障がい者が働きやすい環境を整えていくのがK-STEPプロジェクトです。

もともとは、川崎市麻生区にある就労移行支援事業所、働くしあわせJINEN-DOが、自身の利用者のセルフケアツールとして使用していた「セルフケアシート」とその使用事例がもとになっています。

企業がする合理的配慮とその難しさ

障害者差別解消法とはどんな法律?

障がいがある人もない人も、ともにその人らしさをお互いを認め合いながら共生する社会が大切でしょう。

その為、障がいがある方が社会で適切な配慮を受けられれば、自分の力を発揮することができ、日常生活や仕事など円滑に営むことができるという考え方が背景にあります。

この「社会で適切な配慮」が法律で規定したのが、平成28年4月から施行された障害者差別解消法であり、その中で「合理的配慮」として規定されています。

内閣府のリーフレットでは以下のように紹介されています。

合理的配慮は、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としている意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者に対しては、対応に努めること)が求められるものです。

重すぎる負担があるときでも、障害のある人に、なぜ負担が重過ぎるのかを理由を説明し、別のやり方を提案することを含め、話し合い、理解を得られるように努めることが大切です。

例えば、従業員が少ないお店で混雑している時に、「車いすを押して店内を案内してほしい」と伝えられた場合、話し合った上で、負担が重すぎない範囲で別の方法をさがすなどが考えられます。

その内容は、障害特性やそれぞれの場面・状況に応じて異なります。

 精神障がい者の合理的配慮はどうして難しいのか?

とはいえ、企業側が精神疾患を抱えた方を採用することを控えてしまうケースが多いとも言われています。

その要因として考えられることとして、
・精神障がい者はメンタルの波があり安定的に勤務してもらうことが難しい
・精神障がいは目に見えるものではなく且つ時間とともに状態が変化していくので、今の状態を気づきにくく、気づいたとしてもどのように周囲がサポートして良いのか分からない
つまり、精神障がい者の方へ合理的配慮を行うにしてもどうして良いか企業側が分からないという状況が分かります。

一方、障がい者の方も合理的配慮を会社や周囲にあまり伝えていないケースも多いと言われています。
その要因として考えられることとして、
・周囲に自分の状況を伝えようとしても、精神科で診断されている病名では適切に周囲が理解できず、結局分かりやすい伝達の仕方が思いつかない。
・職場の上司や周囲に、自分の状況が適切に伝達できない中で、仮にメンタル状態が「悪い」状況となっていても、配慮を申し出ること自体に躊躇してしまっている。

つまりは、合理的配慮を求めたいと障がい者側が思っていても、適切な伝達ができないという状況が分かります。

このように考えてくると、精神障がい者と会社の上司はじめ周囲の者との間で適切なコミュニケーションがとれていない為に合理的配慮が進まない、つまりは精神障がい者の安定雇用に結びついていないことが言えるでしょう。

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コニュニケーションツールとしてのK-STEP

K-STEPではセルフケアシートを精神障がい者に記入してもらい、それをもとに会社の上司や周囲へ伝達することで、障がい者の今のメンタル状況を認識した上で次の策を講じていく手順を取ります。

詳しくは川崎市ホームページを参照ください。
具体的に用いるセルフケアシートの例は以下の感じです。

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(川崎市HPから抜粋)

縦軸は時間軸となっており、横軸は日常生活での基本的営みの状況、その人の状況を表す要素(行動や感じ方)を3つのグループ、「良好」「注意」「悪化」ごとで書き出し、さらに実践したセルフケアを列挙しています。

それぞれのマス目で該当するときに丸をつける形式で進めていくものです。

やり方として至って簡単でシンプルですが、病名でなく分かりやすい具体的な行動や気持ちにチェックがされているので、その人の「今」のメンタル状況を本人以外にも理解しやすい利点があることが分かります。

そうすれば、その人の状況に応じて合理的配慮も円滑に進めやすくもなります。

川崎市ではK-STEPの5つの特徴として以下の通り上げています。

  1. セルフケアシートを使い「体調を見える化」することで、病気や障害の理解が進みます。(障害理解の促進)
  2. 報告のルーチン化により、体調を伝えやすくなります。企業としても、1~2分程度の報告を受けることで障害特性や体調を共有できるというメリットがあります。(体調の共有化)
  3. 共有化により、本人からの配慮要求や企業からの配慮提案がしやすくなります。(合理的配慮提供の促進)
  4. 毎日の報告により、職場内のコミュニケーションが誘発されます。(職場内での孤立防止)
  5. 導入にあたり、特別な設備や費用・維持費は一切かかりません。

K-STEPを支援メニューに取り入れているJESD

JESDでは、K-STEPが精神疾患がある方が就労への有効なツールであると考えています。

神奈川県内をはじめとした精神障がい者を雇用している企業で、k-STEPを実際に導入し活用しているところが増えてきています。

その為、k-STEPプログラムに就労移行支援事業所を利用している段階から慣れていると、その後就労先がk-STEPを使っている場合でも、すでに就労移行支援事業所で使い方に慣れているのでスムーズに環境に馴染めるはずです。

また、セルフケアシートはセルフケアで大切な「自分自身の状況把握」がやり易いので、自分自身のメンタルの安定にもつなげやすいです。

K-STEPの使い方を知りたい、またそれを使ってセルフケアのスキルを身に付けたいと興味を持たれた方は、是非一度相談や見学にお気軽にお越しください。

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詳しいホームページはこちら

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